青色申告と白色申告の違いとは?<メリット・デメリットを解説>

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2023-12-01

2024年1月より実施される予定の「改正電子帳簿保存法」。
会員の皆様からも当該法律に関するご質問をいただく機会が増えてまいりました。

1月以降は、領収書などをデータで受け取った場合はデータのまま保存することが義務付けられています。
一応紙保存も認められていますが、紙と合わせてのデータ保存は必要で、データの保存がない場合は必要経費と認められない可能性があります。

この際データを隠したり、都合よく修正したりすることで申告漏れがあった場合、重加算税が10%増えるという罰則があります。
そして最悪の場合は、青色申告の承認の取消しの可能性もあります。

このような説明をする上でそもそも「青色申告」とは何か、ご存じない方もおられましたので、今回はその違いについて解説していきたいと思います。

確定申告と聞くと個人事業主などの個人をイメージする方が多いかもしれませんが、法人でも確定申告は必要です。
個人も法人も、確定申告には「青色申告」と「白色申告」の2種類の方法があります。
青色申告と白色申告とでは、経費として認められる範囲や控除額などが異なります。
下記はそれぞれの申告方法のメリットについてまとめました。

青色申告(65万円控除)
・青色申告控除65万円
・青色事業専従者給与
・赤字3年間繰越
・減価償却資産(30万円未満)は一括経費

青色申告(10万円控除)
・青色申告控除10万円
・青色事業専従者給与
・赤字3年間繰越
・減価償却資産(30万円未満)は一括経費

白色申告
・申告手続きが簡単

以下でそれぞれのメリットに加えて、デメリットについても詳しく解説していきます。

【青色申告のメリット・デメリット】
メリット1.青色申告特別控除(65万円の特別控除、青色10万円控除)
青色申告の大きなメリットとして、65万円の特別控除が受けられることが挙げられます。
特別控除とは、65万円を収入から引くことができるものです。
取引の記録を簡易簿記で行う場合は、10万円の特別控除になります。

メリット2. 家族への給与が全額必要経費にできる(青色事業専従者給与)
生計を同一にする家族への給与は、専従者給与として規定があります。
白色申告では、収入から専従者給与として差し引けるのは、配偶者86万円、その他の親族は50万円と定額です。
これに対して、青色申告では妥当性のある金額であれば、上限設定は設けられていません。
ただし、青色申告で専従者給与を控除する場合には、その年の3月15日までに、税務署へ「青色事業専従者給与に関する届出書」の提出が必要です。

メリット3. 赤字の場合、3年間繰り越すことが可能
青色申告では、赤字を3年間繰り越すことが可能です。
1年ごとに税金を計算すると、多額の利益が出た年と赤字の年が交互であった場合、利益の出た年に多くの税金を支払うことになります。
青色申告で3年間赤字を繰り越せると、1年目に100万円の赤字、2年目に100万円の赤字、3年目に200万円の黒字の場合、3年目の事業所得をゼロとすることが可能です。

メリット4. 減価償却資産(30万円未満)は一括経費
パソコンや自動車など、事業に用いる資産を購入したとき、一括で減価償却できるのは10万円以下の資産に限られています。
通常は10万円を超えると、耐用年数に応じた期間で経費化していきますが、青色申告をしている場合には、令和6年3月31日までに購入した資産は、30万円未満のものまで、一括で減価償却が可能です。

メリット5. 自宅を事務所にすると家賃や光熱費の一部が経費にできる
青色申告では、プライベートと事業で共用しているものの費用に関して、「家事按分」の制度を利用して、白色申告と比較して容易に経費として計上することができます。
たとえば、個人事業主が自宅で仕事をしている場合、10万円の家賃のうち、4万円を事業用の経費とするといったことが可能になります。
(※10万円の家賃のうち、いくらを事業用とするかは利用状況によって異なります)
家賃と同様に、水道代や電気代といった光熱費、通信費やインターネット料金、ガソリン代といったものも「家事按分」の対象となります。
白色申告でも、家事按分を利用することはできますが、「業務での使用割合が50%以上」もしくは「プライベートと業務の使用割合が明確に区別できる」など厳しい条件があります。
自宅を事務所にしている、PCや自動車など事業用とプライベート用で共有している者が多い場合には、積極的に青色申告を利用することをおすすめします。

デメリット1. 申請書の提出
青色申告をするためには、その年の3月15日までに「青色申告承認申請書」を所管の税務署に提出することが必要になります。
年度の途中で開業した場合には、開業から2カ月以内に提出が必要です。
そのため、確定申告をする時点で青色申告をしようと思った場合には間に合わず、翌年からとなります。

デメリット2. 複式簿記での記帳
青色申告で65万円の特別控除を受けるためには、簡易簿記に比べてやや作成が複雑になる「複式簿記」で記帳する必要があります。
手書きで複式簿記をつける場合には、簿記の専門的な知識が必要となるでしょう。
ただし会計ソフト等を使う場合は、取引記録をつけていくだけで「仕訳帳」と「総勘定元帳」が自動で生成されるので、通常そこまで専門的な知識は必要ありません。

デメリット3. 所得が48万円以下でも申告しなくてはいけない
その年の所得が48万円の基礎控除分を下回った場合でも、延滞税や加算税などは発生しませんが、確定申告の義務は発生します。

【白色申告のメリット・デメリット】
メリット1. 記帳が簡単で、申告手続きがシンプル
白色申告も帳簿付けが義務付けられているものの、簡易簿記で済むため比較的簡単です。
確定申告も、収支内訳書に売上や経費などを記入していくといったシンプルなもので済みます。

メリット2. 開始に必要な手続きがない
青色申告で確定申告をしたい場合には、開業から2カ月以内に申請を行う必要があるため、時期によってはその年の確定申告で青色申告を利用することができず、翌年からの適用となります。
しかし白色申告の場合は、青色申告のように事前に所管の税務署への申請手続きを行う必要がありませんので、時期に関係なく申告を行うことができます。

デメリット1. 特別控除を受けることができない
白色申告では、特別控除を受けることができません。
ただし、白色申告でも平成26年に帳簿付けと書類の保存が義務づけられたため、青色申告の10万円の特別控除の要件である簡易帳簿と実質変わらないことになりました。
青色承認申請書を提出しておくことで、簡易帳簿で済む青色申告の10万円の特別控除を目指すことも選択肢となります。

デメリット2. 赤字を3年間繰り越すことができない
白色申告では青色申告のように、赤字を3年間繰越すことはできません。
赤字の年度が続いて黒字に転換できたときや、赤字と黒字を繰り返しているときなどには、青色申告よりも税負担が重くなります。

納税に必要な制度を正しく理解し、適切な控除を受けられるよう知識を深めていきましょう。