施術者の採用方法⑦【どうしても採用が上手くいかないときは?】

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2024-02-21

今回のシリーズでは、施術者の採用方法についてご紹介させていただきました。もうすでに行っている方法、初めて知った取り組み、さまざまだと思いますが、悲しいことに「それでも採用できない!人が来ない!」ということも起こり得ます。なぜ、現代はこんなにも採用難なのでしょうか?

〇以前の接骨院業界
1980年代後半~1990年代初頭の、いわゆるバブル期まで遡りますと、施術者の採用方法というのは今とは全く違う状況だったのを覚えておられますでしょうか。当時は、丁稚奉公・徒弟制度というものが主流で、施術者(求職者側)はご縁のあった接骨院へ自ら「働かせてほしい」と頼みに行ったり、接骨院を紹介していただいたりもしていました。

院長先生に弟子入りして、3~10年の修業を行い、資格を取った後もお礼奉公をして、院長に許しを得て独立開業したものです。近年では、学校教育制度の確立により従来の徒弟制度は姿を消しつつありますが、当時はこの仕組みにより、3~10年は施術者を確保できる仕組みが自然とできあがっていたわけです。

〇現代の採用活動が難しい理由は?
現代の施術者の採用難の大きな理由の一つとして「施術者数の減少」が考えられます。
近年の柔道整復師国家資格の合格率は低下傾向にあり、令和4年度の合格率は過去最低の49.6%(2,244人)でした。合格者が減るということは、新卒の施術者が少なくなるということであり、新卒採用を希望する接骨院にとっては厳しい状況になりそうです。

厚生労働省が発表している就業柔道整復師数では、令和2年度(75,786人)から令和4年度(78,827人)までの2年間で3,041人の増加という数字になっています。この数字だけ見ると施術者数は増加していると思いますよね。しかし、柔整師試験の国家試験合格者数は、令和3年度(2,740人)、4年度(2,240人)の合計4,980人の柔道整復師が誕生したはずなのです。つまり、単純計算で2年間に2,000人近くの業界離れが起きたということになります。

加えて、柔道整復師の就職先は接骨院だけではなく、整形外科やスポーツの現場、介護施設にも施術者の需要がありますし、全く別の業種に就職される方もいます。その中で、自院にあった施術者を探していかなければならないため、採用難の状況ができてしまっていると考えられます。

〇「採用」とは別視点の考え方も必要
施術者を採用したいからには、今の接骨院運営に人手が足りてないという事なのだと思います。しかし、採用活動以外にも考えていただきたいのが「業務効率化」です。

例えば、業務の見直しや仕事におけるムダ・問題点を整理することで、急務だった採用の期間を延ばせるかもしれません。ITツールの導入やアウトソーシングを活用することで、生産性を向上できれば今のスタッフだけで運営できるかもしれません。

アトラ請求サービスが提供している療養費請求代行サービスやA-COMSも、先生方の手を煩わせる業務や手間をできる限り削減するためにあります。加えて、近々A-COMSにタブレットPOSレジ機能(自動精算機)も導入予定です。会計時に会計内容をタブレットに表示させ、患者さまに精算していただくだけなので、今よりさらに業務の負担を減らせます。

人手が足りない=人材採用と即決する前に、本当にこの資格・ポジションの人材が必要なのかを一度考えてみてはいかがでしょう。