透析患者増加の影に潜む生活習慣病 ~接骨院の役割とは~

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2025-10-22

透析とは、腎臓の機能が低下した際に、血液中の老廃物や余分な水分を人工的に取り除く治療法です。腎臓は、私たちの体にとって重要な役割を担っていますが、一度機能が低下すると、完全に回復することは難しい臓器です。

日本における人工透析患者数は、長年にわたり増加傾向が続いており、2021年末の349,700人でピークを迎えました。2022年末に初めて減少(347,474人)に転じていますが、これは透析患者の高齢化による死亡率の上昇や、新規透析導入数の減少が主な要因として挙げられます。一方で、糖尿病や高血圧などの生活習慣病患者が増加しているため、将来的には透析患者数が再び増加する可能性もあります。
今回は、透析患者が増加している現状と、その予防における接骨院の役割について考えていきましょう。

〇腎臓を蝕む生活習慣病
透析が必要となる主な原因は、糖尿病や高血圧などの生活習慣病に合併する腎機能障害です。これらの病気は、食生活の乱れや運動不足、肥満などが深く関わっています。高血糖が続くと、腎臓の血管が傷つき、機能が低下していきます。また、高血圧は腎臓に負担をかけ、機能低下を加速させる原因となります。腎臓病は、初期段階では自覚症状が現れにくいため、気づかないうちに病状が進行してしまうケースも少なくありません。腎臓の機能が著しく低下すると、血中の老廃物や余分な水分の除去ができなくなるため、人工透析が必要となります。

〇透析治療の負担
透析治療は、患者様の生活の質を大きく低下させる可能性があります。日常的な食事制限に加え、週に数回は病院に通い、4〜5時間かけて血液を浄化する必要があるため、仕事や日常生活に大きな制限がかかります。そして、透析治療に伴う合併症のリスクも無視できません。貧血や骨粗鬆症、心血管疾患など、様々な合併症が起こる可能性があります。

また、透析治療には高額な医療費がかかり、健康保険を利用しても、自己負担額が大きくなることがあります。

〇食生活改善が未来を変える
透析を回避し、健康な腎臓を維持するためには、日々の食生活や運動習慣を見直し、健康的なライフスタイルを維持することが一番です。塩分控えめにする・新鮮な野菜や果物、良質なタンパク質を積極的に摂取する・加工食品やインスタント食品に含まれるリン酸塩などの添加物はなるべく避ける等、腎臓に優しい、バランスの取れた食事を心がけていく必要があります。

〇「予防」が得意な接骨院だからできること
日々、患者の健康をサポートする接骨院は、透析予防においても重要な役割を担っています。施術を通して患者と接する中で、生活習慣や食生活に関するアドバイスを行うことは、大きな意味があると思います。患者一人ひとりの状態に合わせた丁寧な指導は、生活習慣病の予防、そして透析予防へと繋がります。

患者との信頼関係を築き、施術と併せて生活習慣改善のサポートを行うことは、接骨院の重要な役割と言えるでしょう。

参照:2022年日本透析医学会統計調査報告書